オリジナル電子書籍『駅路VISION』シリーズは、全国各駅を路線別、地域別に収録したフォト&エッセイです。 出会い、別れ、集いの場など、土地の顔役を担う鉄道駅から、その存在のあり方やまちづくりの方向を考えます。 鉄道趣味のかたはもとより、まちづくりに携わるかたや、故郷をこよなく愛するかたにも読んでいただきたいロングラン・シリーズです。西九州シリーズの完結編となる第28巻では、前巻から続く松浦鉄道のうち、伊万里から折り返して北松浦半島を周回し、佐世保へ至る45駅のほか、島原鉄道、JR三角線の全駅を収録しました。松浦鉄道は、旧国鉄松浦線を引き継いだ第三セクターですが、歴史を紐解けば、石炭運搬を目的にした小規模な軽便鉄道の継ぎ足し。結節点の駅からはみ出した支線は、すべて昭和のうちに廃止されたという、特異な沿革をもっています。一方、長崎県南部の島原鉄道は、大正年間に全通している古い私鉄です。島原港以南が平成20年に廃止されたものの、半島の都市間鉄道として生き延びてきました。JR三角線は、熊本から島原や天草への航路連絡線として開通しましたが、その役割は失われ、専ら観光路線としての再生を試みています。人気の観光特急「A列車で行こう」など、ショートトリップを楽しむスタイルに期待がかかるところです。JR九州に比べれば、松浦鉄道も島原鉄道も体力的な差があり、駅の機能を高めたり、観光特急を走らせたりというチャレンジが、なかなか難しい。登場する駅にも無人の停留所が多く、魅力の乏しさが目立ちますが、だからこその可能性を見出したいという思いで綴りました。2020年5月30日初版発行収録内容:松浦鉄道/東山代~佐世保中央、島原鉄道/本諫早~島原港、JR三角線/緑川~三角(全76駅)著者略歴安藤進一(あんどう しんいち)1966年福岡県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業後、編集会社取締役、及び民間活力開発機構企画主幹として 経済産業省、外務省、総務省、日本学術会議等所管の広報誌・機関誌、単行本を制作。2018年4月安藤行政書士事務所を開業。日本行政書士会連合会会員第18090709号。2019年7月株式会社あかつき舎を設立、代表取締役就任、現在に至る。